第Ⅱ話

6/11
前へ
/16ページ
次へ
  *  *  * ヨシカワ君のオススメの場所は、 校舎裏の、陽当たりの良いコンクリートの上だった。 「……校舎裏に、こんなところがあったんだ」 今日みたいなお天気に日向ぼっこをするのにはもってこいだな。 そんな事を考えている内に、 私はぽつりと独り言を言っていた。 するとそれまで特に何も話さなかったヨシカワ君は、 腰を下ろしてお昼ご飯のパンを取り出しながら、 「うん、俺も最近知ったんだけどさ。日向ぼっこするにはちょうどいいんだよね」 と私が考えていた事と同じような事を言って、それから 「まぁ昼寝して授業遅刻したりとかもするんだけどな」 と悪戯っぽく笑った。 少しびっくりしたけど、 とりあえず私もヨシカワ君の隣に座って、 膝の上にお弁当を広げた。 それを見ていたヨシカワ君は、 待ちかねたように高らかに、 「それでは、いただきます!」 手をぱちんと合わせて言った。 「……いただきます」 私も遅れて挨拶する。
/16ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加