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だから私はまたお昼ご飯を食べ始めて、
また、沈黙。
だけど食べ終わってお弁当箱を元のように包み終わると、
ヨシカワ君はまたしても唐突に、訊いた。
「ハラダさんさ、朝、何の本読んでたの?」
「え、朝?」
朝って言ったら、
ヨシカワ君が虹男の話をしてた時だ。
そう思って、一瞬反応が遅れた。
「朝、なんか小説読んでたじゃん。それがなんとなく、俺が読んでたのやつと似てた気がしてさ」
「あ、そうなんだ。さっきはね、えっと……この前出た詩集なんだけど、いつもは小説書いてる人が出したやつなんだ。確か……」
そして作者の名前を言うと、
ヨシカワ君は、
「マジでっ?!俺、その人大好きなんだ!」
身を乗り出してきた。
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