1人が本棚に入れています
本棚に追加
しかもその相手は、
私の誕生日の次の日が誕生日というヨシカワ君。
虹男だという、ヨシカワ君。
……私の誕生日が雨だから、
彼は虹男、なんだ。
私は朝、話を聞いていた時から、
その事に気づいていた。
正直、少し羨ましくもあったし、
妬ましくもあった。
だってね、そう思うでしょ?
暗い世界じゃ、
心だって暗くなりがちだって。
でもこればっかりは、
私にはどうしようも出来ないし、
ヨシカワ君だってそう。
だから醜い思いでいるよりは、
私が雨の配達人であることで、
役に立っているんだと、
嬉しく思うべきなんだ。
私はそうやって、大人ぶった事を考えていた。
仕方がないんだ、と諦めて羨まないと、自分に言い聞かせている様でもあった。
* * *
……そんな私の誕生日まで、
あと2日。
最初のコメントを投稿しよう!