第Ⅱ話

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しかもその相手は、 私の誕生日の次の日が誕生日というヨシカワ君。 虹男だという、ヨシカワ君。 ……私の誕生日が雨だから、 彼は虹男、なんだ。 私は朝、話を聞いていた時から、 その事に気づいていた。 正直、少し羨ましくもあったし、 妬ましくもあった。 だってね、そう思うでしょ? 暗い世界じゃ、 心だって暗くなりがちだって。 でもこればっかりは、 私にはどうしようも出来ないし、 ヨシカワ君だってそう。 だから醜い思いでいるよりは、 私が雨の配達人であることで、 役に立っているんだと、 嬉しく思うべきなんだ。 私はそうやって、大人ぶった事を考えていた。 仕方がないんだ、と諦めて羨まないと、自分に言い聞かせている様でもあった。   *  *  * ……そんな私の誕生日まで、 あと2日。
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