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学校に行き自分の教室に入ると、
私に気付いた幼稚園からの親友が、
おはよ、と声を掛けてくれた。
それに対する私の返事はいつもよりも覇気の無いものだったけれど、
この季節になると私が鬱ぎがちになるのを知っているこの親友は、
何も言わずに私の肩を叩いて、
ちょっと行ってくる、
とだけ言い残して教室を出ていった。
それを見送った後、
私は自分の席に着くと、
誰とも話す事無く、
鞄から本を出して読み始めた。
小さい頃から友達を作るのが苦手だった私には、
親友の彼女以外に親しい人がおらず、
一人の時間を補うのは
本の世界だった。
しかし今日は、
そんな私だけの世界に乱入してきた声があった。
「俺さぁ、虹男なんだ」
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