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昼休み。
委員会の集まりがあるから、
と謝る親友を、
全然いいよ、
と笑顔で送り出した私は、
お弁当を食べようと、
お気に入りのベンチがある屋上に一人で向かった。
だけど、
そのベンチにはもう先客がいて。
……どうしよっかな。
そう思った私の後ろから、
知っている声がした。
「なんだ、ベンチ空いてねぇじゃん」
ヨシカワ君だった。
折角ここまで来たのになー、
どうすっかなー、
と呟いた彼は私に気付いたらしく、
「あれ、ハラダさんじゃん」
と声をかけてきた。
私はあまり目立つ方じゃないし
話をしたこともないのに、
名前を覚えていてもらえたことに、驚いた。
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