Prologue

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後の世の者は、この荒々しくも眩しかった数世紀を振り返り、こう語る。 大地が 空が そして何よりもそこに住まう人々が 最も生きる力に満ち溢れていた時代であった、と。 世界は、今よりもはるかに単純にできていた。 すなわち、 『狩るか、狩られるか。』 明日の糧を得るため、 己の力量を試すため、 またあるいは富と名声を手にするため、人々はこの地に集う。 彼らの一様に熱っぽい、そして いくばくかの憧憬を孕んだ視線の先にあるのは、 決して手の届かぬ紺碧の空を自由に駆け巡る、力と生命の象徴 ――――――飛竜たち。 鋼鉄の剣の擦れる音、 大砲に篭められた火薬のにおいに包まれながら、彼らはいつものように命を賭した 戦いの場へと赴く――――――。
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