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昔親父から
スーパーとかにある卵を温めると孵化するよ
と言われて
こっそりふとんで温めたことがある
2個温めていたが
1個見つかって怒られてしまった
今思うと何て馬鹿なことをしていたのかと思う
怒られた後もひそかに1個だけは大切に温めた
ある夜
3時くらいだろうか
ふとんの中に何か動くものがある
気になりそっと中を覗くが卵以外はなかった
訳が分からないまま「それ」は俺の足元に行く気がした
思わずふとんから飛び出た
すると「それ」は部屋の隅に素早く移動した
あまりの恐怖に足がガクガクしてきて
感覚がなくなってきた
そうだこれは夢だ
もう一度寝れば「それ」は消える
そう思い急いでふとんを被った
思わず頭まで被ってしまったので「それ」の姿は見えなくなったが
何故か気配は感じる
気持ちが高ぶっているからだろうか
それとも俺の第6感が「それ」の危険性を感じさせる為に活発に働いているのだろうか
その時ださっきまで感じられた「それ」の気配が消えた
やつは気配が消せるのか?セルなのか?
というツッコミを入れてみたが心はそれに反比例するかのごとく
どんどん緊張していく
恐る恐るふとんの隙間を覗くが何故か真っ暗で見えない
しかし「それ」を確認したい気持ちもあるので
思い切ってふとんから出た
そこにいたのは
人⁉
どうやら「それ」は泥棒のようだった
しかも
「そいつ」の右手にはパンツ
まさかと思い下を見ると何故か真っ裸
それからのことはよく覚えていない
ただパトカーのサイレンの音の煩さとふとんの中でぐちゃぐちゃになった卵があるだけ
あ~卵もったいねそう思った
パトカーの去った後は何故か下半身が寒かった
(26歳フリーター 男性)※この物語はフィクションです
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