イ チ ゴ ギラ イ

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~♪~~ 朝5時にはいつもの アラーム音が流れる毎日 浩兄と自分のお弁当を作るには 早起きしないと間に合わない。 6時頃になると、 寝癖のついた浩兄が起きてくる 「おはよー苺、今日は 高校受験じゃないかあ?」 「そーだよ。 何とかなるから大丈夫。」 手早くお弁当を作り終えて 中学のセーラー服に着替える。 二つにきつく縛った髪、 単語帳と受験票を持って玄関を出た。 玄関先から浩兄の 「行ってらっしゃい」という声が聞こえたが それに応えてる暇は あたしにはなかった。 受験するのは電車を 乗り継いで行ける高校 決して近くはないけれど 大学に進学するには十分な高校 人混みの中、 やっと自分の席を見つけると ほっと胸を撫で下ろした。 見る限り知らない人ばかりの教室 緊張感が漂っている 胸元のポケットに入れた 単語帳を出そうと探ると 「…あれ?…落としたかも…」 確かに入れたはずの単語帳が 跡形もなくなっていた。
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