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祐也Side
診察室に入ってきた
後に愛するキミは
とても素敵な笑顔の持ち主だった
「今日はどうしましたか?」
俺は普通に問い掛けた
まさかキミが治らない病気だなんてまだ知らないから
ただの風邪かなんかだろう
そんな呑気なこと
考えながらも
相手からの返事を待った
「左側だけ手があがらないんです…物忘れも少しあるし」
「…え?」
返事に驚いて聞き返してしまった
この時俺の頭の中には
ある病名が浮かんでいた
脳腫瘍
不安を募らせながらも
検査に行かせた
どうか違いますように
そんなことを思いながらも
診察室から出て行く背中を
見つめる
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