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貴久Side
まだぼーっとする頭で
いろんなことを考えながらも
待合室の椅子に座っている
しばらくすると
診察室の扉が開いて
看護婦さんが出てきて
僕の名前を呼んだ
僕は壊れそうなくらいに
心臓の鼓動を高鳴らせながら
診察室に入って
椅子に座る
しばらくの沈黙の後
目の前にいる若いお医者さんが沈黙を破った
「増田さんの脳内に直径3センチの腫瘍ができています」
「え?…な、に言ってるんですか?」
現実を受け止めたくなくて
思わず聞き返してしまった
だけどもお医者さんは
僕にはっきりと言う
「脳腫瘍です……」
理解しようとするけど
突然言われても頭が混乱するばかりで
とりあえず入院することになった
.
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