3章 芽生恋

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貴久Side 手越は病室に入ると喜んでくれた。 ああ、僕のために泣いてくれてるのか そんなこと思ってまだもぐもぐ食べていると 椅子に座って見つめられる。 「おいしい?」 「おいひいよ…」 「…ふふっ、口についてる」 そのまま食べてたら 口に食べ粕がついてたみたいで 手越がティッシュで拭いてくれた。 普通に拭いてくれたはずだったのに なんだかすごくドキドキして いったいどうしたんだろうっていうぐらいに 心臓の鼓動がうるさい。 「…ーい、おーい」 「……!あ、ごめん。なに?」 「ずっと固まってたよ?大丈夫?」 手越に触れられただけでドキドキする… この気持ちは… まさか、恋なのかな でも男同士なのに… そんな複雑な気持ちになりながらも 食べ終わったからとお箸を洗いに立ち上がった。 .
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