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貴久Side
手越は病室に入ると喜んでくれた。
ああ、僕のために泣いてくれてるのか
そんなこと思ってまだもぐもぐ食べていると
椅子に座って見つめられる。
「おいしい?」
「おいひいよ…」
「…ふふっ、口についてる」
そのまま食べてたら
口に食べ粕がついてたみたいで
手越がティッシュで拭いてくれた。
普通に拭いてくれたはずだったのに
なんだかすごくドキドキして
いったいどうしたんだろうっていうぐらいに
心臓の鼓動がうるさい。
「…ーい、おーい」
「……!あ、ごめん。なに?」
「ずっと固まってたよ?大丈夫?」
手越に触れられただけでドキドキする…
この気持ちは…
まさか、恋なのかな
でも男同士なのに…
そんな複雑な気持ちになりながらも
食べ終わったからとお箸を洗いに立ち上がった。
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