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“好きこそ物の上手なれ”――
楽しい気もちより何より、野球が“好き”だという気もちが強かったふたりは、目を瞠る上達ぶりをみせた。
技術が向上すると、野球の楽しさも倍増する。
そんな時だった。
ふたりが、壮大で唯一無二の存在との劇的な出逢いを迎えたのは。
夏休み――
ふたりが所属するチーム出身の選手がレギュラーを務める高校が選手権大会に出場するとの事で、チームを挙げて応援に行こうと監督が云い出した。
甲子園――
本格的に野球を始めてから何となく耳にした球場、その懐に抱かれて観る試合は格別だった。
風が違う。
音が違う。
空気も、世界も……何もかもが違う気がした。
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