邂 逅 -メグリアイ-

2/14
前へ
/731ページ
次へ
  ――ゆるゆると、だが確実に時は流れる。 逸斗が白球と出逢ってから、7年が経った。 チーム最年長になってからは、彼の努力にとやかく云う者はいない。 それどころか、彼と楠本の姿勢に牽引される者が増え、チームのレベルは格段に上がった。 逸斗のチームが全国大会出場の切符を得たのは、必然。 そして、その大舞台で決勝進出を決めたのも、必然―― 多投しないとの約束で監督から教わったチェンジアップ。 その変化球と自慢のストレートを駆使する逸斗の投球は、小学生らしからぬ華麗なものだった。 たまにすっぽ抜ける球をヒットにされるくらいで、後はほぼ完璧な内容。 攻撃の中心である楠本の存在感も超級で、決勝戦も大勝できると誰もが思った。  
/731ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1671人が本棚に入れています
本棚に追加