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――驚いた。
決勝の対戦相手に女子選手がひとりいる事は情報として知り得ていた逸斗。
だが、まさかその女子選手がマウンドに上がるとは……
一瞬、複雑な想いが宿ったのも事実。
それでも、逸斗はすぐに澄んだ瞳をきらきらと輝かせた。
未知との遭遇に心が逸ったのだ。
自分のチームに女子選手はいない。
だが、まだ少年である逸斗にも容易に想像できる。
男子を向こうに回してマウンドに上がる女子選手はきっと、素晴らしい投手なのだという事が。
早く……
早く対戦したい。
整列も挨拶も、何もかもをもどかしく感じながら、逸斗は対面に立つ女子選手をみつめた。
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