邂 逅 -メグリアイ-

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  そう、逸斗のチームに女子選手はいない。 だから本当に……本当に判らなかったのだ。 敗れたとはいえ、自分たち相手にあのように素晴らしい投球を披露した女子選手をなぜ罵倒するのか。 ただ……これだけははっきりと判った。 譬えばもし、あの『マコト』とかいう投手が投げ、10点20点取られても、誰も彼を責めたりはしなかっただろう…… そして、逸斗はすぐさま自分の中に生じた矛盾に気づく。 もし……もしも、自分たちがこの女子選手に負けていたら、彼らと同様、心のどこかで文句のひとつでも紡いでいたのではないか、と。 身勝手な負い目が引き金となったのか――それは定かではないが、逸斗は思わず自分が勝ち得た金メダルを女子選手に差し出した。 「――またいつか、対戦できたらええな」 そんな約束と共に。  
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