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右翼(ミギ)から左翼(ヒダリ)、意識を変える風を、逸斗(ハヤト)はぼんやりと眺めていた。 “眺めて”……そう、逸斗は確かに眺めていた。 透明で、見えないはずの風が、風の色彩が、彼の瞳には明瞭に映ったのだ。 流れが、変わった。 果たしてそれは、平晏にとって吉なのか凶なのか―― 急がなくても、すべてを知る瞬間は訪れる。 自分の許にも、 彼女の許にも――……
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