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嵯峨野の竹林を形成する凛とした青竹のように、逸斗は身も心もまっすぐに成長した。
そんな彼は、中学入学と同時に親友である楠本と共にシニアリーグに入団する。
彼女……『蒼真 流風』も同じ道を辿ると思ったからだ。
そうすればまた、どこかで対戦できると逸斗は信じた。
彼女と交換した銀メダル、傷つけないよう丁寧に……逸斗は毎日取り出しては磨き、想いを馳せてみつめていた。
考えてみれば、彼女と交換したのはこのメダルとお互いの名前だけ。
対戦が叶うかどうか以前に、再び逢えるかどうかも判らない。
希薄な関係……
第三者はそう捉えるかもしれない。
だが、逸斗は平気だった。
自分が携える強い目を、彼女も持つと知っているから。
「オレもがんばるからな。 おまえもがんばれ」
彼女の魂が宿っているかのように……逸斗は銀メダルに言葉を与え続けた。
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