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季節が移ろうように、未熟な自分の感情も変わりゆくと……逸斗も思わなかった訳ではない。
野球が一番。
だが、中学校生活にはほかにも楽しい事、魅力的な事がたくさんあった。
放ち始める異性の馨りもその中のひとつだ。
複数の学区から生徒が集まる逸斗の中学校は、新たな出逢いを生む。
逸斗の記憶の中で微笑む彼女の面影が薄れてゆくのは、自然の摂理かもしれなかった。
それでも――
野球をやっている時は、常に彼女の事を思い出した。
もしも、初恋に似た感情であったなら、心から消え去るのは時間の問題であったかもしれない。
だが、逸斗は彼女に“同志”を見ていた。
同じ夢をみる同志、
同じ目標を持つ同志――
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