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耳障りな目覚まし時計が鳴り響く、朝7時46分。
ボク、中原 楸(ナカハラ ヒサギ)はもそもそと布団から腕を出すと、未だ鳴り続ける時計を掴み────思いっきり壁に投げつけた。
バキィ!!
と、鈍い音が響くと同時に、喧しい時計の音も消えた。
ふぅ……なんかイヤな音がしたけど、これで二度寝できる……
今日は休み(のはず)だし……まだ寝てても大丈夫…………
ボクが再び夢の世界に旅立とうとしたとき、不意にドアをノックする音がした。
……円だ。
園渕 円(ソノブチ マドカ)、ボクの幼なじみで、小学校から一緒に学校に通っていて、今は同じ寮で生活している。
今日は休み(のはず)なのに……なにか約束してたっけ?
そんなことを考えていたら、突然ケータイが鳴った。
シルバーのスライド式のケータイを見ると、円からメールが来ていた。
そのメールには一言、「今日は始業式だから、早くしないと遅刻するよ?」と。
ボクはケータイの時刻を見る。
……7時50分。
ご飯食べて制服来てイロイロ準備をして約20分、学校まで30分かかるとして……始業式は、たしか8時45分からだから……
Q1.さて、ボクは始業式に間に合うでしょうか?
「……ち、遅刻だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
朝の静かな寮に、ボクの叫び声が響いた。
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