Thrash Side

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それからは何事も無く時は流れ、授業の終了を告げるチャイムが鳴った。 「今日はここまで。何度も言うようだが復習は自分が充分に理解するまでやること」 何度聞いたか、お決まりの台詞を吐いてワカメ先生は教室から職員室へと戻って行った。 ……今日は意外と穏やかな方だったかも。 中道君に突っ掛かったのも一度だけだったし。 ワカメ先生何かあったのかな。 私は集中力の切れた頭でボーッとそんな他愛もないことを考えていると、 「もー稜!先生を挑発しちゃ駄目って言ってるでしょ!」 「はいはい、わかってるって」 「わかってないから、あたしが注意してるんじゃない!」 目の前では痴話喧嘩が繰り広げられていた。 「五月蝿いなぁ……」 「五月蝿いとは何よ!?……って、ちょっと何処行くの!?」 「小便。郁奈の話を永遠に聞いてたら膀胱炎になるっての。面倒なのは纏めて帰りに聞いてやるよ」 「あっ、こらぁ!……はぁ……まったく自分勝手なんだから……」 ………なんだかんだで稲石さんは根から優しい娘なんだな……。 私には一生真似出来ないかも。
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