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「ん?どうしたんだ?二人とも固まって」
そこにタイミングが良いのか悪いのか中道君がトイレから帰還した。
「いえ。私の精一杯の持ちネタに稲石さんが見事な無反応を示しただけです」
「えっ……あ!鈴に冗談を言われたのが初めてだったから、リアクションに困って……ごめんね」
稲石さんが慌てて両手を合わせて私に謝る。
いつも仕草が可愛らしい。
「……大丈夫です」
とは言ってみるものの少しばかり傷ついた私である。
「へぇ~。掘馬も冗談なんて言うんだ」
中道君がひやかすように笑う。
ちなみに私の苗字は掘馬。
上下合わせて掘馬鈴。
変な名前だよね。
「私といえど女子高生なのでそのくらいのたしなみはあります」
わざとらしく怒ってみたり。
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