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「その質問って郁奈にもしたのか？」
「えぇ、まぁ」
私は素っ気なく返事をする。
「じゃあ、俺も郁奈が言っていた関係だと言っておく。どうせ『ただの幼なじみ』だとか答えたんだろ？」
この人たちは……私が思っている以上に通じ合っているのかもしれない。
だからこそ────興味が湧く。
「いえ。稲石さんは『一夜を共にしたただならぬ仲』だと答えてましたよ」
「ええ!?あたし、そんなこと言ってないよ!?」
「郁奈、お前……」
「ああ、もう！稜も本気で受け止めないでよー！」
稲石さんは若干涙目になりながら訴えてくる。
でも、満更でもなさそうな笑みはなんだろう……。
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