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―――ドンッ
急に鈍い音がした
「…っ!!」
壁にもたれ込みズリズリとしゃがみ込む彼女の姿
それを見て笑う女生徒たち
彼女は後頭部を抑え笑いながら女生徒たちを見上げる
なにしてんだよ
意味わかんねーよ
なんで笑ってんの?
よくみれば後頭部を抑える彼女の小さく綺麗な手から赤い水……血が滴り落ちていた
ヘラヘラと笑う彼女
彼女が怪我をしたことで更に盛り上がる女生徒たち
僕には理解できないことだ
口だけのイジメが良いわけではないけど
どうしてそこまで出来るのか…
そんなこと思ってたって
結局、僕は何もしてあげることはできなかった。
イジメることを楽しむ彼女らの思考があまりにも怖くて…
黙って見ていることしか
僕にはできなかった
……情けない
僕は彼女らよりも最低の人間なんだ
「助けてあげられなくて……ごめんね…」
届かないほど小さな声でも彼女に謝ることで罪悪感から逃れようとした、
……
気のせいか?
彼女が僕の方をみて微笑んだ気がした
やはり気持ちの悪いぐらい綺麗だった
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