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内容は、とても簡潔なものだった。
俺の携帯にも、同じ内容のメールが届いており、俺は肩を落として、自分の携帯をマナーモードにしていたことを呪った。
そして、内容の簡潔さに、ため息をつく。
「理由くらい書いてくれればいいものを…」
「まぁ、涼宮さんらしくていいじゃないですか」
肩に手を置かれ、俺はむっとして古泉を睨みつけた。
「?なんですか」
「…近い」
肩に置かれていた手を振り払うと、俺は机の上に置いておいた鞄を手にとった。
さっきまで古泉の手が置かれていた肩が、妙に熱いのは、今日のことで、俺が古泉のことを意識してしまっているからなのか。
その考えを振り払うように、俺は首を振る。
ないない。
「よし、帰ろう」
「そうですね」
お互い考えていたことは同じだったらしく、あっさり意見が一致した。
嬉しくなんてないぞ、断じて。
「では、僕は9組に行かなくてはいけないので」
「え?」
「え?」
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