はじめ

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「…ちょっといいですか?」 ふと、真後ろで声が聞こえ振り向くと、体温が感じられるほどの距離に古泉が立っていた。 近い。 「(お願いですから、参加して下さい)」 ハルヒに聞こえないくらいの小声で古泉は俺にそう囁いた。 吐息がかかって、軽く眉根を寄せてしまう。 「(涼宮さんを不機嫌にさせるとどうなるか、あなたもご存じでしょう?)」 あぁ知っているともさ。二人だけの世界に閉じこめられて、あげくあんなことまでして、その感触すら覚えている。 けどな古泉。 「(俺だってやりたくないことの一つや二つはあるんだよ。今回はさすがにパスだ)」 理由は聞くなよ。言いたくないからな。 「話は終わりだ」 だから俺から離れろ。いつも言ってるが近いんだよお前は。 「…キョン君」 「何だよ」 まだ何か言うのかと振り返った俺は、いきなり顎を捕まれてぎょっとした。 くいっと上を向かされたかと思うと、また顔を近づけられる。 「参加して下さい。団長命令に加えて副団長からの命令です」 …お前にそんな権限はない。
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