95人が本棚に入れています
本棚に追加
「…ちょっといいですか?」
ふと、真後ろで声が聞こえ振り向くと、体温が感じられるほどの距離に古泉が立っていた。
近い。
「(お願いですから、参加して下さい)」
ハルヒに聞こえないくらいの小声で古泉は俺にそう囁いた。
吐息がかかって、軽く眉根を寄せてしまう。
「(涼宮さんを不機嫌にさせるとどうなるか、あなたもご存じでしょう?)」
あぁ知っているともさ。二人だけの世界に閉じこめられて、あげくあんなことまでして、その感触すら覚えている。
けどな古泉。
「(俺だってやりたくないことの一つや二つはあるんだよ。今回はさすがにパスだ)」
理由は聞くなよ。言いたくないからな。
「話は終わりだ」
だから俺から離れろ。いつも言ってるが近いんだよお前は。
「…キョン君」
「何だよ」
まだ何か言うのかと振り返った俺は、いきなり顎を捕まれてぎょっとした。
くいっと上を向かされたかと思うと、また顔を近づけられる。
「参加して下さい。団長命令に加えて副団長からの命令です」
…お前にそんな権限はない。
最初のコメントを投稿しよう!