はじめ

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「来ない…!」 俺は、部室の中をせわしなく歩き回っていた。 ただいま8時30分ジャスト。ちなみに俺の今の格好は制服である。 俺は、計算を間違えて8時20分くらいにここに着いてしまい、誰もいない校内(見回りや受付の警備員、担当の職員などはいるが)を歩いて、やっと部室に着いたのだが。 「何で誰も来ないんだよ…!」 言い出しっぺのハルヒどころか、いつも気づいたらいる長門の姿すらない。 「なんで不思議探索では早くくるのに、今日は早く来ないんだ…!」 イライラして、パイプイスにガシャンと座り込んだその時。 ぎぃー… 「!」 扉が開く音が聞こえ、振り返ると、少しだけ扉が開いている。 「だ、誰か来たのか…?」 てっきり誰かきたのかと安心したのだが、人が入ってくる気配がない。 バクバクと高鳴る心臓を叱咤して、恐る恐る扉から顔を覗かせる。 が。 「…誰も、いない…!」
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