はじめ

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俺はバンッ!とハルヒのように勢いよく扉を閉め、近くにあった机まで一気にさがった。 やばい、やばいやばいやばい! 「…あれ?」 コツ、コツ、コツ… 足音のようなものが聞こえる。 俺は、恐怖に足の力が抜け、その場にヘナヘナと座り込んでしまった。 それでも、足音は近づいてくる。 「や、やだ…来るな…」 ぴたっと、足音は部室の扉の前で止まり、カチャッと、ゆっくりドアノブが回されて… ぎぃー… 「っ……!」 万事休す…!と目を瞑った俺だったが。 「…あれ?貴方だけですか?」 聞き覚えのある、優しげな敬語とテノールボイスが、俺の耳に届いた。 …古泉だった。 「古泉…」 俺を見て、しばらく眼を瞬かせ、 「…どうして床に座ってるんです?」 珍しそうに、不思議そうにそう訊いてきた。
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