95人が本棚に入れています
本棚に追加
俺はバンッ!とハルヒのように勢いよく扉を閉め、近くにあった机まで一気にさがった。
やばい、やばいやばいやばい!
「…あれ?」
コツ、コツ、コツ…
足音のようなものが聞こえる。
俺は、恐怖に足の力が抜け、その場にヘナヘナと座り込んでしまった。
それでも、足音は近づいてくる。
「や、やだ…来るな…」
ぴたっと、足音は部室の扉の前で止まり、カチャッと、ゆっくりドアノブが回されて…
ぎぃー…
「っ……!」
万事休す…!と目を瞑った俺だったが。
「…あれ?貴方だけですか?」
聞き覚えのある、優しげな敬語とテノールボイスが、俺の耳に届いた。
…古泉だった。
「古泉…」
俺を見て、しばらく眼を瞬かせ、
「…どうして床に座ってるんです?」
珍しそうに、不思議そうにそう訊いてきた。
最初のコメントを投稿しよう!