はじめ

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「いっ…いきなり、ドアが開いてっ…」 さっきのことを思い出して、震える声でそう述べると、古泉はあぁ、と苦笑を浮かべ、 「きっと、ちゃんと閉まってなかったんですね」 と、ドアノブを回される。 「ここ、錆びているでしょう。力を入れないと、きちんと閉まらないんですよ」 扉をゆっくり閉められ、座り込む俺と目線を合わせるように古泉も床にしゃがみ込んだ。 「…ほんとに、古泉か?」 「…?はい」 また不思議そうな顔で、古泉は俺を見つめる。 「ほんとに、ほんとに古泉だよな?」 「そうですよ」 おずおずとその手に触れてみる。温かい。 「…?」 足にも、腕にも、肩にも触れ…頬に手を触れようとして、はたと気付く。 「あ…」 …俺、何てことを…!
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