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〓病院〓
305号室の部屋からとても幸せそうな夫婦の話し声が聞こえてきた。
男「やっとわが子に会えるんだな」
男性はベットに座っている女性に嬉しそうに微笑みながら言った。
女「えぇ、そうね。どんな子が生まれてきてくれるかしら?」
男「うるはと俺の子どもだからきっとかわいい子に決まってる」
うるはと呼ばれた女性は、自信満々に言っている男性をクスクス嬉しそうに笑い、自分の大きくなったお腹を優しく撫でながら「親バカなお父さんだねー♪」と、言った。
男「親バカで何が悪い!うるはだってそうだろ?」
と、また自信満々にいうと男性もまた嬉しそうに笑った。
う「そりゃそうよ♪私と仁の子なんだもん親バカにもなりたくなるわ」
仁と呼ばれた男性は、右手でうるはのお腹を撫でて左手でうるはの手を握った。
仁「きっと元気な子が生まれてきてくれるよ」
仁は、うるはをみて笑顔で言った。
うるはも仁に微笑み見返し「えぇ。きっと・・・・」と言った。
しばらくすると急にうるはの表情が苦しそうな顔になり、大粒の汗を流しはじめそしてお腹を押さえて丸くなり、ベッドに横たわった。
そして、仁に向かって手を差し出していた。
う「じ・・ん・・生まれ・・そ・・う・・・っ!!」
じ「うるは!!!」
仁は、素早くナースコールを押してうるはの手を握った。
じ「しっかりしろ!!!うるは!!!」
うるはは、仁に答えるように仁の手をギュッと握り返し、そして苦痛に耐えながら仁に笑顔を見せた。
すると・・・・・・
ガラッ
ナース〓「枢木さん〔くるき〕、どうかなさいましたか?」
ナース〓は、うるはを見て慌ててベットに近づいた。
その後ろにいた二人のナースも同じく慌ててベットに近づいていった。
ナース〓「そろそろうまれますね。斎藤さん!!すぐに鈴木先生に連絡して準備に回ってください!!」
斎藤「はい!!わかりました!!」
斎藤と呼ばれたナースは、ケータイで連絡しながら病室から走って出ていった。
ナース〓「佐伯さんは、私と一緒にベットを緊急治療室へ!!!」
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