時は流れ、多くの歳月が過ぎ去ります..

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時は流れ、多くの歳月が過ぎ去ります..

いつしか.. 少女は大人のカラダになりました。 それでも魔女は魔法を教えてくれません。 毎日が同じことの繰り返しでした。 魔法を伝授して貰えないなら少女は単なる召使いです。 少女は居た堪れなくなり魔女に何度も詰め寄ります。 しかし、その度に夜のお勤めが満足にできてないと拒絶されます。 今更、俗世間に戻れず少女は泣く泣く我慢するしかありませんでした。 ... 更に長い歳月が過ぎました。 状況は変わりません、同じことの繰り返しが続きます.. 更に長い歳月が過ぎ去りました。 しかし魔女の館では何一つ変化がありません。 更に更に時は過ぎ去っていくばかり… 魔法のせいか、魔女は老いることなく若いままです。 でも少女の方は何時しか皺皺の老婆になり果てていました。 ある日、夜のお勤めが終わって… 年老いた少女は魔女の目を盗んで魔女のボディスーツを着てみます。 少女は昔から時々、魔女の格好をしては自らを慰めていました。 魔女のケープを靡かせ飛翔の真似事をしながら、飛べない現実に涙するのです。 しかし、その日は今までとは違いました。 ケープを靡かせた途端、少女は空を飛べたのです。 そして、あらゆる魔法を思うだけで使えるようになりました… 早速、魔法で老婆から少女に若返ります。 魔女スーツこそが魔法の源だったのです。 少女は積年の恨みを晴らしに魔女が裸で寝ている寝所に向かいます。 魔女はボディスーツを着こなす少女を見た途端に大声で泣き伏しました。 少女は全裸の魔女が魔法を使えないのを確認した後、泣き喚く魔女に火炎の魔法をかけます。 魔法のスーツに魔女は見捨てられた様です。 業火に焼かれ魔女は、醜悪な老婆と化します。 少女は、無惨な魔女の断末魔の姿を見てゲラゲラ大笑い… 『私を婆になるまで奴隷のようにこき使った罰よ、焼け死んでしまえ…ギャハハハ!』 それから長い歳月が過ぎました。 そして.. 更に更に長い歳月が過ぎ去ります。 ある日… 魔女の館に.. 見窄らしい身なりではありましたが… 可愛らしい顔をした可憐な少女がやって来ました。 少女は言いました。 『お願いです、私を魔女にして下さい!』       ‐END‐image=440753032.jpg
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