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「も、っ森って、なん、でっ!?」
ごもっともな俺の言葉にも今は誰一人として答えてはくれない。
一体全体どうなってんだ。
突然渦に巻き込まれたと思ったら黒い空間を漂いながらうとうとしてて、多分そのまま寝るか気を失うかしたんだろう。
ちょうど良い感じで意識の手綱を手放してたのに肌をピリッとした小さな痛みが襲って、その刺激で目が覚めた。
「あんの馬鹿ふくろうが…っ!!」
あいつが何かしたんだきっとそうだそうだろうそうに違いないていうかそれ以外にない!!
原因にあたりが付くと、猛烈にムカついてきた。
急にいなくなるとか言いやがって自分だけ言いたいこと言って満足してんじゃねぇよ
ちゃんと分かりやすく説明しろってんだ
外気の冷たさと運動をしたせいか目覚めのまどろみがなくなってくると、状況の不可解さがよぉーく分かってきた。
そして馬鹿らしさも。
「…………。」
!
キャウン!
走るのをやめて振り返る。
目標との距離およそ10mってとこか、楽勝だ。
立ち止まった俺に気がついて、尚更狼が速さを上げてくる。
ごめんな
動物を虐待する趣味はねぇが仕方ないだろ?
死にはしないからよ
『ステュービファイ!【麻痺せよ!】』
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