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その中に蘭花の弟も混じっていたのだろう。しかし。
「俺が斬ったという確証は…」
「ありますよ」
ついには口調まで冷たくし、蘭花は土方を睨みつける。
「騒ぎを聞いた私が駆けつけた時にはもう千草は虫の息でした。そんな中で千草は言ったんです。『俺を斬ったのは土方歳三だ』って。あなたは相当顔が知られてるみたいだし間違いはないだろうって」
「でも斬らなきゃ俺も死んでんだ。そういうモンなんだよ、戦いってぇのは」
幼子を諭すように言う土方。
その態度が更に蘭花を苛立たせた。
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