傷モノの行方

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「いやいやここは新選組屯所だから」 「ちょっやめ…!!」 蘭花の体に手を回して持ち上げようとする土方。 蘭花は抵抗し、足をジタバタと動かした。 そのせいで浮きかけた体が手から滑り、床に落下してしまう。 「!!」 しかし蘭花は痛みを感じることはなかった。 かわりに不意に視界が黒一色になり、体に温かい手のぬくもりを感じた。 「お兄さん…」 またしても助けてくれたのは、自分をここまで運び傷の手当てを施した沖田だった。 「大丈夫ですか?」 沖田は微笑して蘭花を見る。
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