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「行方不明の姫、探しに行ってきて」
「は?」
目の前のオッサンは、いきなりそんなことを言った。
失敬、なんことかわからないな?まずは自己紹介からだ。
俺の名は、勇者一号。
よく間違えて、『イチゴ』などと呼ばれるが『イチゴウ』だ。間違えるなよ?
んでもって、正面にいる豪華な椅子に座って、さっきの台詞を吐いたのがオッサン。
ついでにオッサンはこの国の王だ。
まぁ、俺にとっては激しくどうでも良いことだかな。
「悪い、今なんつった?俺の耳が悪くなったのか?」
「ふん、お前の耳など当の昔に腐りきっておるわ」
「なら、お前は存在事態がこの世界のゴミだな。」
正直、こんな奴が王でよくこの国は廻ってるよ。スゲくね?
「儂がか?」
お前は死んどけ。
んでも、姫って行方不明だったんだな。
ニュースとかじゃ、そんなのやってなかったぞ?
「当たり前だろうが、一国の姫が行方不明なんだぞ?こんなこと公にしたら、国は大混乱だ!」
「そうか?オッサンに嫌気がさして、家出でもしたんじゃねーかって、軽く流されそうだが」
町中アンケートでもしてみろ。
百人が百人、絶対にトゥルーボタンを押すから。
賭けてもいいね。
「まぁ、姫が行方不明なのはわかった。けどな?」
「けど?」
「何故に俺なわけ?」
正直俺である意味がわからない。
確かに、俺の名前は勇者だが、別にジョブが戦士ってわけじゃなく、町外れでひっそりと農家を営んでる村人だぜ?
ただ、素手で人喰い熊を打ちのめしたり、狼獣を退治したりするだけの一般男子だぜ?
「後半、十分に戦士の素質があると思うが…」
まぁ、それは置いといて、何故に姫探しの旅に、俺がいかなくてはならないのか?
もっと適任者がいると思うのだが?
例えば、王国専属捜索隊とか、王国専属捜索隊とか、あと王国専属捜索隊とか!
「全部、王国専属捜索隊ではないか」
とにかく!
俺である理由はないと思うのだか?
「まぁ、そうなのだが、強いて言うなら…」
「言うなら?」
オッサンは、たっぷり五秒ほど時間を持って口を開いた。
「暇そうだったから…」
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