黒き少女の邂逅

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3年前の夏の日の夢。 仕事帰りの母さんと母さんを迎えに行った俺達が仲良く手を繋ぎながら歩いている。 夜の12時過ぎ。 当時,巷では連続通り魔事件が多発しており,母さんから家から出ないようにと言われていたのだが,我慢できずに夕妃と二人で母さんの働くバーまで迎えに行ってしまったのだ。 俺達は一秒でも多く母さんといたかった。 通り魔が出るっていっても遭遇するわけがないと思っていたし,通り魔が出るなら俺が母さんを守る。 そう考えていた。 だけど現実は上手くいかないという事を知った。 ちょうど繁華街を抜け,家の近くの住宅街に差し掛かった時。 当然のように通り魔に襲われた。 狙いは誰だったのだろうか。 覚えているのはこちらに走り寄ってくる黒いフードを被った男,俺達を突き飛ばして前に出る母。 その胸に吸い込まれていく白銀のナイフ。 男はナイフを引き抜くと、一瞬俺の方に目線を向けた。 フードの隙間から見えるその銀色の瞳は闇夜の中、異様な程輝いていた。 そして男はどこかへ走りさって行った。
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