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「な....」
顔を赤らげ、怒声をあげかける恋を一世が素早く羽交い締めにし,教室の隅に引きずっていく。
「まぁ聞けよ恋。こいつは俺にもおまえにもおいしい話なんだぜ。
いざ現地に着いたら手分けして捜すって事にして俺が夕妃ちゃん連れて別行動とるからさ,おまえは幸司の奴と二人で探索しろよ。」
「な,な,なんでそれが私にとっていい話なのよ。べ,別に幸司と二人きりになっても気まずい,だけだし。」
「ん?まぁじゃあ俺に協力してくれよ。
いや~だって考えてみろよ。
夜の旧校舎,男と女が二人きり,何か不思議な事が起こるかも。
も一回言おうか?
何か不思議な事が起こるかも。」
しばらく二人で何やらごにょごにょ話した後,一世は何故かにやけ顔。恋は何故かそわそわして戻ってきた。
「しょ,しょうがないから肝試し付き合ってあげるわよ。」
どんな魔法を使ったかしらないが恋の説得に成功したらしかった。
一柳一世,なかなか侮れない男である。
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