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「よぉ」
「!」
背後から声をかけられる。
とっさに逆の方向に飛びのき,身構えていた。
振り向いたその先には死が立っていた。
真っ赤な夕暮れを背にそこに佇む少女。
黒いタートルネックに黒いジーパン。
足元まで延びた黒髪。
朧げでいながら、絶対的な存在感。
まるで自分の影がそのまま起き上がりそこに存在しているような感覚。
まっすぐに垂れ下がったその髪が風にざわめく。
その隙間から覗く漆黒の瞳を見た瞬間に俺の身体の一切は動かなくなった。
その瞳に宿るは明確な死。
有無を言わさず相手に死を想起させるそんな瞳。
どうすればこんな眼ができるようになるのか。
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