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生徒のいなくなったあと宣教師はある人物と会話をしていた。
「どうだい?そちらの様子は?」
会話は英語でなされていた。
「まだ…ただこの辺りに奇妙な噂があります。」
「噂?」
「『開かずの扇子』というのがあるらしいです。誰が開こうとしても閉じられたままという」
「…イノセンスの可能性は?」
「…まだ不明ですが…可能性は高いと思います」
「…『伯爵』が気付かない前にイノセンスかどうか判断しなければね…」
「もしかしたら他のイノセンスが近くに来れば反応するかもしれませんが…」
「わかった。そちらにエクソシストを派遣します。」
「よろしくお願いします」
そう言うと宣教師は会話を終わらせた。それと同時に失礼します、という声と共にミヤが入ってきた。
「どうしたんですか?ミス・広瀬」
フランス語で神父は尋ねる。
「今、みなで投扇興をしてますの。神父様もいらっしゃいませんか?」
「トウセンキョウ?」
「日本の扇子を使った遊びですわ」
「扇子…」
神父は『扇子』という言葉に反応する。しかしミヤは気付かず続ける。
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