序章

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「うん、つまりね…マイロイドちゃんは、名前を与えられないと、『自分』を認識できないんだよ」 自分を認識…? 意味はよくわからないけど、黙って先を促した。 「…にも関わらず、起動させちゃった…そこが問題だったわけ」 つまり、手順を間違えたわけか。 …いや、それって思いっきりハカセの責任なんじゃね?。 ……とは言えない視線で射抜かれたので、とりあえず黙りました。 「…で、なんで起動できたのかって話なんだけど…」 そうだ、それが問題だ。 しかもマイロイドが言うには、既に彼女には名前があるらしい。 色んな名前、考えてたのに…考えてたのに❗(大事なことなので2回言いました) 「いやー、危なかったんだよ。ギリギリだったねー、うん」 「…は?」 不自然に目を逸らしたまま、ハカセはやけに明るく振る舞っている。 …ここまであからさまな誤魔化しにもそうそうお目にかかれないな…。 「…ハカセ。なに?」 「え、な、なにが?」 「その子の名前」 「えっ? き、キミがつけた名前でしょ~?」 …ん? 僕がつけた名前…? 僕がギリギリで名前をつけたっていうこと…? 「…え、覚えがないんだけど…?」
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