第三章

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今日の講義は二限と三限だから、わりとゆっくり行っても大丈夫だ。 僕はすやすやと眠り続けるパトラを眺めながら、今日の予定を思い返していた。 …こうして見ていても、パトラは人間にしか見えない。 でも、彼女は人間ではなくて…ハカセからもらった、マイロイドだ。 眠ることも、起きることも、自分ではできない。 「…んぅ…」 …とてもそうは見えないけどね。 「はぁ…」 ため息を吐き出しながら寝返りを打ち、仰向けになる。 首をぐいっと傾けてテーブルの上を見れば…そこにあるのは、例の機械。 マイロイドとのコミュニケーション向上用装置…。 …結局、昨日帰ってきてからも使う気にはなれず、パトラをスリープさせた後あそこへ置いて、そのままになっていた。 「……はあぁ」 もう一度、今度はさっきよりも深いため息。 …ダメだなぁ…僕。
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