87人が本棚に入れています
本棚に追加
「…ねぇ、ハカセ」
少し気が引けたけど、まだ僕は大事なことを何一つ教えてもらってない。
サラリちゃんとじゃれあうハカセに、恐る恐る声をかけた。
「はいはい?」
「どうしてあの子は、その…起動できたの?」
「あ~…」
完全に忘れてた、という表情で、ハカセが目を逸らす。
「え、なに?なにかまずいことでもあるの?」
「いや、えーっとね…わ、私の責任じゃないんだよ?ホントだからね?」
しつこく念押しする鉄壁のアラサー。
「いいから教えてよ!」
「う、う~ん…まぁ、言わないわけにもいかないしねぇ…」
ちろりと向いたハカセの視線に反応して、マイロイドがこちらを見た。
彼女の服装はとてもシンプルな白と黒のワンピース。
サラリちゃんの服と比べると多少豪華さには欠けるかもしれないけど、僕は十分にかわいいと思う。
「…なんですか?ハカセ?」
「…ちょっとこっち来てくれる?」
「?」
三度かわいらしく小首を傾げてから、マイロイドは立ち上がり、こちらへ近づいてきた。
最初のコメントを投稿しよう!