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それは母さんが“死者の祭典”という周りから“死神”と呼ばれるところの代表をしているからである。
108ある世界のすべての死を司っているため多忙なのである。
そんな母が父と一緒にいるのは大体いいことが起きない。
……なんだかものすごく帰りたくなってきた。
そんなことを考えていると父が空間の階段を降り終えて、母と一緒に俺の目の前に来た。
そして1000年に一度くらいしか見せないちょっと真面目な顔をして俺に語りかけてきた。
「シアン、今日はちょっとお願いがあってね……結構重要な問題なんだ」
ほら、なんかシリアスな雰囲気になってきた。
あぁ、もう嫌だな、マンガ読みたいな。
「ラノスさん。そんな言い方すると……ほらシアンが嫌そうな顔してるじゃないですか」
「あぁ、ナトスごめんよ。ちょっとシリアスオーラを出してみたかったんだ。反省はしている、でも後悔はしていない」
父が眉毛を キリッ! とさせて満足げな顔をする。
……あぁ、そうそう今更だけど父の名前はラノスで母はナトスっていう名前なんだ。
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