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「こうして話すのは初めてだな。俺の名前は麒麟(きりん)。テル・スメイク生まれの34歳だ」
・・・俺はこの日初めて、自分にツッコミのスキルがないことに絶望した
今ならわかる
「もうちょっと面白いネタはねーのかよー」と馬鹿にしていた芸人
「その反応はないわー」とせせら笑っていたギャグ漫画
「これどっかで聞いたことあるなー」と聞き流していた周りの談笑
あれは、一体どれだけの鍛練をしたのだろう。きっと山篭もりとかして滝に打たれたに違いない。知能指数を測ったら測定不能でスカウターが爆発するに決まってる
俺はツッコミが出来ないわけじゃない。そりゃ友達と楽しくしゃべってたらツッコミくらいするさ
だが、今ここにいるのが俺でなくとも、
例え売れっ子芸人だろうが
例え漫才大好きな十代だろうが
例え戦闘力53万の異星人だろうが
俺と同じ反応をするはずだ。すなわち、目を丸くして口を空けて
「は?」
そんな反応。だってそうだろ?
―オウムが、しゃべってるんだから
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