人と動物と

5/5
前へ
/16ページ
次へ
「さて、トルコアイスにも飽きたから真面目に話すか」 「ああ、一応ふざけてる自覚はあったんだな」 「当たり前だ。常識で考えてトルコアイスが洗剤なんて言う馬鹿がいるか」 「しゃべるオウムに常識を説かれるとは思わなかったよ」 「俺が一言でも、自分をオウムだと言ったか?」 いきなり不機嫌な顔になった。何故?オウムにオウムと言っただけなのに 「見た目で判断するのは愚か者だぞ。確かに俺はオウムの姿をしているが、中身がシーラカンスだったらどうする?」 「海に還すね。息の音をとめてから」 自分の中のかけがえないもの(常識)を守るために 「じゃあ坊主。お前が人間だと証明できるなら、してみるがいい」 む 「言えまい、俺は人間だ、と言うだけなら、それこそオウムにも出来る」 「・・・何が言いたいんだよ」 「つまりだ」 こちらを見据えて、オウムがくちばしを開く 「悪魔の見た目も、お前が想像してるようなのとは違うかも知れないってことだよ」 その時だった 窓ガラスが割れ、『何か』が部屋に侵入してきた 「・・・ううぅ、スピード上げすぎたのだ、頭痛い、目が回る~」 そんなことを呟いている、不法侵入者を見て、俺が思ったことは一つ 「む?なんだお前は?人間か?ちょうどいい、この上級悪魔、メロン様の最初の獲物にしてやろう!」 黒い翼、そして真っ黒なワンピース、これまた真っ黒な長髪を腰まで伸ばして、小学生くらいの小さな体に、頭には逆三角形の耳が二つ 「全力で想像通りじゃねえか」 これだから頭がトルコアイスな奴は信じられないんだ。存在から何から、全部まとめて
/16ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加