死神の輪舞

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灯りを消した私の周りに群がる無数の暗闇が、狂おしい優しさで身体を包む。狂気と悲しみを覚えた私は月を見上げ嘲笑い…冷たいこの身を抱きしめた、死神と向き合った私は研ぎ澄まされた時間を共に過ごした……やがて静かに呼吸を止めた時、美しく輝く紅い月を見た……           誰にも邪魔はさせない、この漆黒の輪舞を!時を経て骸と化すまで。踊り続けよう……さぁ!私の手をとって…             死神と溶けるような口づけを交わし、誘われるままに私は異界へと足を踏み入れた…そこには見たこともない美しい景色と薔薇の香りが漂い、私を奈落へと引きずり込む……            誰もここには来れない。この美しい世界には太陽の光さえ届きはしない…歌い続けよう……さぁ!私の瞳を見て………
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