第2章 悲しき魂の行方

4/14
前へ
/24ページ
次へ
 ラグランジュ解放戦線Asp、カズミ達と同じ世界に生きた者達であった・・だが、それは平和に対する考え方の違いだった  彼等は武力による圧倒的軍事力による独占的支配こそが永久不変の和平への道だと信じていたがカズミ達、現ラグランジュエリア永続的移住主義者Rapeaにとっては決して侵してはならぬタブーに他ならないものであった  Rapea達は永続的和平への道は人々の心の協調にこそ在ると信じていた  だからこそ、彼等との和解を試みたのだが結果として現在の状況に至ってしまった (何故、彼等は協調を拒み武力を求めるのだろうか・・・人類の過去の歴史がそれを証明しているというのに)  人類は同じ過ちを繰り返し自らの手によって痛みを知ることでしか理解できない生き物なのか・・・  今のカズミにはその結論を導きだすための時間があまりにも足りなかった  通路を急ぎながらも時折、外で一瞬の閃光が走ると思わず眉間をしかめる  数千の魂が果て無き悠久の彼方へと散り去った瞬間だと分かったからだ  そう実感できるのは自分が生きている証拠だと考えたい  だが、カズミ自身この瞬間にも数千の見知らぬ人々と共に消滅するかもしれない状況にいる
/24ページ

最初のコメントを投稿しよう!

8人が本棚に入れています
本棚に追加