第2章 悲しき魂の行方

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 その瞬間、世界が静寂に包まれたような気がした 「なに?この感覚・・」  カズミの鼓動が大きく脈打ち、何かが自分の意識に入り込んでくるのが判った 「うっ・・・!?」  その痛みに耐えきれずに膝から崩れ落ち踞るように座り込みながらカズミは意識の中で何かを観た  争いの中でぶつかり合う憎しみと哀しみ、そして失われ往く意識の断片・・・言葉で表現できない未知の現実が押し寄せた瞬間、彼女の意識が、弾け跳んだ 「・・っ!」  激しい痛みがカズミの身体を駆け抜けていく  それは今まさに失われようとする者達の悲痛な心の叫びだった  その刹那、一筋の閃光が船のわずか数メートルを通過し、弾け跳んだ  直後、通路全体の照明が非常灯に切り替わり、けたたましい警戒音が鳴り響いた ―非常事態発生!非常事態発生!各員、第一種戦闘配置!非乗員の方はアナウンスに従い非難してください!ただいま、本艇は所属不明の艦隊による砲撃を受けました・・  張り詰めた女性のアナウンスが通路内に響き渡る
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