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第2章 悲しき魂の行方
西暦3132年/旧保守派護送船内
静まり返った室内、人の息吹が感じられない無機室な場所で肩まで伸びた漆黒の長髪を靡かせながらカズミ・レインズは哀しげに外の景色を見つめていた
彼女の瞳に映るモノは真空に包まれた暗闇だけしかない
時折、遠くで放たれる閃光が闇の中に儚く消え去っていく
その輝きは、紛れもなく幾千もの人々の魂を刹那に奪い去る輝きの証であり、同時に人類同士での愚かな争いを今尚、繰り広げていることを示していた
(どれだけの人々が、どれだけの魂が、この宙に漂っていると言うの・・・)
ただこうして遠くから見つめているだけでは現実味すら感じられない死への恐怖・・・
行き場を失った魂が悠久の刻の流れに漂い、その悲しみが憎しみへと転化し再び争いを巻き起こす
「いつまで続けるの・・・この無意味な争いを?」
窓にそっと指先を触れながらカズミは哀しげに呟いた
けれど今の彼女は、その無意味な争いに翻弄され政治的に利用される存在でしかなかった
カズミの父であるルイス・レインズは現ラグランジュエリア永続移住主義者Rapea(ラペア)の代表の1人で、決別したAspとの交渉役でもあった
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