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「そうですね。あ、着替えたがいいですか?」
「いや、どんな格好でもいいよ。みんな部屋着とかだし」
「そか。じゃあいっか」
俺は寝ている昇歌を残し部屋を出た。
咲人さんと話しながら食堂に向かった。
「圭くん、もう昇歌くんと仲良くなったの?」
「いや、入学式が始まる前に出会って」
「そうなんだ。運命だったんじゃない?」
「運命?」
運命って…。
今時の高校生が使う言葉じゃない気がするけど。
「俺も運命の人見つけたんだ」
「へぇー。新しい女の先生でも入ったんですか?」
「いや。ここは先生も生徒も男だけだよ」
俺は足を止めた。
それって…。
「一目惚れってあるんだね。なんか胸をわし掴みされたっていうか…」
「…誰なんですか?」
恐る恐る尋ねた。
咲人さんは笑顔で答えた。
「圭くんと同じクラスの柩くん。ピアスいっぱい付けてる子、いたでしょ?」
クラスメイトに興味はなかったが目立つ程、顔面にピアスしたヤツがいた。
「あーいましたね」
「気にいっちゃった、彼」
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