102人が本棚に入れています
本棚に追加
「ほら、圭、辞書開いて。宿題とかなったら嫌でしょ」
「あー…うん」
なんだか昇歌のペースに乗せられた感じ。
気づけば授業終了まで
あと五分。
その時、教室の扉が開いて先生が入ってきた。
「みんな、終わったか?終わってないヤツは宿題な。じゃあ早いけど号令」
「きりーつ」
なんもない様な顔で先生は戻ってきた。
「れー」
「ありがとうございましたー」
だけど、俺は見つけてしまった。
首筋の紅いマーク。
「ねっ。俺の言った通りっしょ?」
「……うん」
授業が終わって昇歌が言った。
……確かに。
まぁ、俺には誰が誰を好きだろうが関係ないし
興味もない。
「あんな人たち、何人くらいいるんだろうね、ココ」
「さぁな」
適当に返事をしておいた。だって話を広げるようなネタでもないし。
「次の授業なんだっけ?」
「えーっと…」
「数学だよ」
声の主は黄泉だった。
「俺、数学苦手なんだよねー」
「黄泉に得意な物ってあったっけ?」
最初のコメントを投稿しよう!